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探偵事務所と興信所の違い

インターネットで検索を行うと、名に「探偵事務所」が付く業者と「興信所」が付く業者の2パターンが確認できるかと存じます。
こちらのページでは両者の提供するサービス・料金・法的な性質等の違いについて解説いたします。

両者の定義

探偵事務所と興信所の違いとは

まずは、探偵事務所と興信所がどのように定義されているのか又は認識されているのか、その歴史等について確認していきたいと思います。

探偵事務所とは

探偵と聞くと、行動を調査する人・事件の推理を行う人というイメージが湧くと思いますが、厳密には探偵業法で以下の通り定義されています。

探偵業務とは、

  • ・他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として
  • ・面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い
  • ・その調査の結果を当該依頼者に報告する

業務をいいます。

引用元:警視庁HP

つまり、残念ながら小説や漫画のような「事件の推理」を行う探偵はおらず(正しくは業として行うことが出来ない)、浮気や身辺調査・人探しといった個人の行動に対するリサーチが業務の中心となります。

なお、探偵業務は対象者のプライバシー権を侵害してしまうケースが後を絶たなかったことから、探偵業法(平成19年6月施行)によって厳しく規制されるようになり、要件を満たさねば開業が出来なくなりました。

興信所とは

興信所の起源は1892年に日本銀行の出資によって設立された団体だと言われており、1900年に「帝国興信所(現帝国データバンク)」が設立したことで、徐々に同コンテンツの地位が確立されていくことになります。
「信用を興す」の通り、興信所は企業・個人の信用や所在の調査を行う機関でしたが、時代の流れとともに行動調査、人探し等も扱うようになっていきました。
探偵が浮気調査を中心に扱っているのに対し、興信所は個人だけでなく法人(企業)の経営状況や雇用状況等の調査まで幅広く対応しているという点で異なります。

届出種別は共に探偵業
車の中で張り込む探偵

探偵業法では“探偵業を営む者は営業所ごとに営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届出をしなければならない”と記載されています。
「探偵業を営む者」とは前述した定義に当てはまる業務を行う人や企業のことを指し、例え名称・サービス名が「興信所」となっていても業務の内容次第では探偵業に当たります。

なお、報道や出版目的での調査(取材活動など)や分析評価を目的にした学術調査活動等については探偵業に当たらず、届出は不要です。
さらに、場合によっては弁護士や税理士等も他人を調査する形になりますが、調査の目的が異なる(訴訟や税額算定等)ため、同様に届出が要りません。

業務内容はほぼ同じ

探偵事務所を探す男性

現代に於いては「探偵事務所と興信所はほぼ同義」と考えていただいて差し支えありません。
ただし、興信所の中には特定の分野を専門に扱っている業者もいます。

例えば、帝国データバンクでは企業の経営状況(決算報告書の公開など)をメインに取り扱っており、探偵業とはやや性質が異なることが分かります。
興信所の多くは浮気調査・人探し等がメインとなりますが、念のためどのような業務を扱っているのか事前に確認しておきましょう。

基本的には、探偵事務所と興信所でサービス内容や料金が異なるということはありません。(例えば浮気調査の場合でしたら、どちらに依頼しても問題ないでしょう。)
ただし、例外的に専門分野を持つ興信所が存在しますので、公式ホームページをチェックする又は事前に電話やメールで確認するのが望ましいです。