浮気の「聞き込み」
刑事ドラマでよく目にする「聞き込み」ですが、浮気調査のシーンではどのように用いられているのでしょうか。
実際の様子やその方法、行う際の注意点等についてご紹介したいと思います。
セルフ調査で有効な手段
手がかりを求めて周辺住民に聞き込み…
刑事ドラマや映画でよく見るシーンですが、興信所や探偵事務所で実際にこのような方法が採られることはあまりありません。
なぜならば、不特定多数の人に聞き込みを行うと対象者の耳に入ってしまう危険があるためです。(もし行うとしても、本当に信頼できる知人や友人もしくは対象者と絶対に繋がりがないであろう第三者に対してのみ実施します。)
しかしながら、ご自身で浮気調査を行うのであれば聞き込みは有効な手段と言えます。
我々のようなプロ(他人)には言えないこと・言いづらいことでも、仲の良い友人であれば話してくれる可能性があります。
例えば、以下についてはご友人だからこそ知り得る情報と言えるかもしれません。
SNSの裏垢
幼馴染・高校や大学が一緒であった・先輩・後輩の関係である等、共通の友人がいるご夫婦の場合は「タレコミ」によって浮気が発覚するケースは多いです。
“昨日○○で旦那さんを見かけたよ”といった内容が一般的ですが、最近ではTwitterのサブアカウント(所謂「裏垢」)を教えてくれるといったケースもあります。
SNSの書き込みについても証拠になる可能性がありますので、もしも教えてもらえた場合は適宜チェックするようにしてください。
なお、前回の記事でもお伝えした通り、スクリーンショットは改ざんの可能性があるため、原則として証拠と認められません。
したがって、同SNSの書き込みを保存するために必ずアーカイブやweb魚拓を取っておくようにしましょう。
LINEのやり取り
理解できないかもしれませんが、中には浮気を友人に自慢しているケースもあります。
LINEやメール等でそのような話をしていた場合、同メッセージはとても強力な浮気の証拠となり得ます。
「見せてくれる訳がない」と思うかもしれませんが、そういった行為が許せないという方は多いです。(私も友人に頼まれたら協力すると思います。)
なお、前述したSNSと同様にスクリーンショットでは証拠として採用されない可能性が高いため、ご友人の協力を仰ぐ(証人として出廷してもらう・スマホを借りる等)形になりなります。
プロの聞き込み
冒頭でもお伝えした通り、探偵事務所や興信所は、浮気調査において第三者への聞き込み調査を原則実施しません。
ただし、以下のケースでは聞き込みという方法を執ることがあります。
手がかりが一切無い場合
大変珍しいケースですが、ご相談時に全く手がかりが掴めていない場合には、周辺の聞き込み調査から入ることがあります。
例えば、旅行先は分かっているが詳しい行き先がわからない…という場合などは周辺の方に聞き込みを行い、足取りを追跡します。(「見かけたら連絡をして」と連絡先といくらかのチップを渡すこともあります。)
しかし、実際に有力な手掛かりとなることはほとんどなく余程のことが無い限りは行うことはありません。
よく使われるお店がある
「来たことがあるか?」「どのくらいの頻度で来るか?」等をお店に対して聞き込みます。
ただし、お店側も常連客の情報を簡単に漏らすわけありませんし、聞き込み調査が行われていることが対象者の耳に入る可能性もあります。
そのため、よく使われるお店に直接聞き込むのではなく、周辺店に対して話を聞く・勤務するスタッフと仲良くなって情報を引き出すなど、間接的に情報を集めるのが一般的です。
お店に潜入することも
聞き込みとはやや性質が異なりますが、情報収集のために実際にアルバイトとして店に雇ってもらったこともあります。
その際は居酒屋でしたが、浮気相手がホステスだった場合、女性スタッフがそのお店に潜入するといったケースもあるようです。
録音は必要に応じて行いますが、一歩間違えれば違法行為になりかねませんので、基本的には証拠よりも情報を集めるのが第一の目的と言えます。
プロの聞き込み調査は、浮気現場を押さえるための情報収集という性質が強いです。
一方で、友人等の協力を用いて行うセルフ調査では、SNSの裏アカウントやLINEメッセージのやり取りなど、直接的な証拠を得られる可能性があります。
“共通の知人・友人がいる”という限定的な場面でしか使えませんが、セルフ調査においては高いパフォーマンスが期待できる調査方法と言えるでしょう。