ページ上へ

悪徳業者による「違法調査」

探偵事務所や興信所は幅広い業務に対応しています。
しかし、「出来そうで出来ない調査」も数多く存在しており、場合によっては調査が断られてしまう可能性もあります。
どのような調査がNGなのか予め確認しておきましょう。

違法な調査はNG

法律のイメージ

探偵事務所の業務は非常にセンシティブであり、一歩間違えるとプライバシーを侵害してしまったり、関係のない第三者を傷付けてしまったりします。
そのため、調査の範囲を逸脱してしまい、対象者から訴えられる・スタッフが逮捕されるといったトラブルが後を絶ちませんでした。

このような問題行動を規制するため、2007年6月1日に「探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)」が施行されます。
同法では探偵業の範囲・目的・欠格事由等が初めて明記され、探偵を業として営む際は事前に営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届出をせねばならなくなりました。

違法調査が及ぼす危険性
違法な調査を行う悪徳探偵事務所

依頼者のためならどのような手でも使う」「違法行為スレスレの調査」といったような“ビジネスライクな探偵事務所”は今もなお数多く存在しています。
法律の範囲内であれば違法業者とは言えませんし、依頼者から見れば証拠を取るために尽力してくれている訳ですから、利益に働くことも考えられます。

ただし、万が一違法な調査活動が行われた際に、その行動を依頼者が知っていた場合には注意が必要です。
違法行為が依頼者の指示によるものと認定されてしまうと、探偵事務所だけではなく依頼者も罰せられる恐れがあります。
無茶な要求をしないのはもちろんですが、探偵事務所がしっかりと法に則って調査しているかを見極めるようにしてください。

違法調査の具体例

では、どのような行為が違法に当たるのでしょうか。
具体的には、以下に該当する行為は違法性が高く、多くの探偵事務所が依頼を断っています。

ストーカーやDVを目的とした調査

住所をはじめとした個人情報を割り出す行為
各種明細を取り寄せる行為(クレジットカードの利用明細など)
電話番号から契約者を特定する行為

調査の範囲外の行為

特定人と依頼人を別れさせる行為又は復縁工作等
和解交渉などの法律行為の代理

違法性が強い調査

盗聴や盗撮などの違法性が強い行為
脅迫のような聞き込み・調査活動

これらの行為にも対応している事務所は依頼者も処罰される可能性があり、大変危険です。
絶対に利用しないようにしてください。

このような調査はできません
違法な探偵業務のために逮捕されてしまった男性

「車のナンバーを調べて欲しい」「電話番号から現在地を特定してほしい」などのご相談を多くいただきますが、これらの調査は探偵事務所では行うことができません。

“対応できない”というよりも、車の所有者は運輸局が管理し公開等はしておりませんので、調べる術がないと言った方が正しいでしょう。
以前は本人になりすまして個人情報を照会するという手法が横行しておりましたが、これは偽計業務妨害罪という立派な犯罪行為であり、実際に探偵事務所のスタッフが検挙された事例もあります。

また、電話番号だけ伝えられ“持ち主の住所や現在地を調べて欲しい”というご依頼ですが、GPSが内蔵されている等の特段の事情を除き調査することはできません。

行政書士が逮捕されるケースも
違法な手段で個人情報を取得する行政書士

中でも最も危険かつ逮捕事例が多いのが「個人情報の不正取得」です。
特に、住民票や戸籍謄本は委任状さえあれば誰でも簡単に取得することが出来てしまいますので、不正の温床となりやすいと言えます。

また、権利義務関係書類・行政に提出する書類(申請書類)等の作成を業とする「行政書士」も、探偵事務所の不正取得に関与し摘発された事例があります。
行政書士は権限で住民票や戸籍謄本を取得することが可能(職務上請求)ですが、これは当然書類の作成に必要な場合にのみ利用できる制度であり、不特定多数の人に対して行ってよいものではありません。
依頼を受けていない人が勝手に公的な書類を請求することは、例え行政書士であっても処罰の対象となります。

証拠を得られたとしても、違法行為によって取得したものであった場合は証拠として認められないことがあります。
また、探偵事務所と結託して不正を行うと、依頼者も罰則を受ける可能性がありますのでご注意ください。
無茶な要求はせず、コンプライアンスに沿った調査を心がけましょう。