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ストーカー対策

ストーカーによる犯罪被害が後を絶ちません。
被害の8割は女性であり、ストーカーによって命を奪われてしまった・一生消えない傷を負ってしまったという事件も実際に起こっています。
ストーカー被害に遭ってしまったとき、どのように対処・対策するべきなのでしょうか。

ストーカーとは

壁から盗聴するストーカー

以前では軽視されがちなストーカー被害でしたが、ずさんな対応が殺人事件に繋がってしまったこと等が大きな社会問題となり、2000年には「ストーカー行為規制法」が施行され現在に至っています。

なお、同法が定義する「ストーカー行為」は以下の通りです。

一. つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。 二. その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。 三. 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。 四. 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。 五. 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。 六. 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。 七. その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。 八. その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。

これらのストーカー行為は処罰の対象となりますので、被害を受けた際はすぐに最寄りの警察署に相談してください。

なお、警視庁が2023年3月3日に発表した「ストーカー事案の概況」によると、2022年に管轄内で起こったストーカー行為の相談件数は1,207件であり、前年度の1,102件に比べると9.5%の増加となりました。

ピーク時からは減少傾向にあるものの未だに1,000人以上もの人(全国では2万人弱)がストーカー被害に悩んでいるということになりますので、予断を許さない状況が続いていると言えます。

自分で出来るストーカー対策

以下はご自身でも比較的簡単に実践できるストーカー対策ですので、ストーカー被害に遭いやすい方・遭っている方は是非実践してみてください。

夜道や人通りの多い場所は避け、一人にならない
護身用に催涙スプレーや防犯ブザー等も必ず持ち歩く
帰宅時間をずらすなど行動がパターン化しないように心がける
明細関係は出来るだけネット化し、郵便物を減らす

ストーカーから逃げてコンビニに避難する

ストーカーの多くは何らかの影響によって精神に異常をきたしています。
何をしてくるか分かりませんので、間違っても戦おうなどと考えず、見つけたらすぐに人の多い場所やコンビニ・お店等に避難するようにしてください。

民間警備会社の活用

残念ながら明確な証拠が無いと警察は動くことができません。(民事不介入の原則)
最近ではストーカー対策を担う警備会社も多く、月々数千円~と意外にもリーズナブルな価格帯となっておりますので、警察に動いてもらえないのであれば民間警備会社に相談してみるのも一つの手です。

また、2020年4月に総合警備保障会社ALSOKからストーカー対策に特化した保険である「and ME(安堵ミー)」が発売され、話題となりました。
こちらは、万が一ストーカー被害に遭ってしまった際の「警備費用」「一時退避費用(ホテル代金など)」「引っ越し費用」といった費用が保障されるというものです。
保険料金は月500円と非常にリーズナブルですので、金銭リスクを軽減したい場合にお勧めです。

新・ストーカー対策総合保険「and ME」公式ホームページ
参考新・ストーカー対策総合保険「and ME」
https://andme-hoken.jp/

盗聴や盗撮被害の調査

尾行をするストーカー

ストーカーは盗撮・盗聴・尾行・ゴミを漁る等の行動を執ります。
居場所や行動が筒抜けでは更なるストーカー被害を生んでしまいますので、まずは身の回りに盗聴器や盗撮カメラ・GPSが設置されていないかを調査する必要があります。(調査方法につきましてはこちらのページをご参照ください。)

特に、最近では元交際相手の裸の写真や性行為の様子をネット上に拡散する「リベンジポルノ」と呼ばれる被害が相次いでいますので、隠しカメラについては投稿前に対処しなければなりません。
もちろんそもそも撮られるような既に撮られてしまった場合には、目の前で処分・削除してもらう等の措置を講じてください。

警察に相談する前に証拠固めを
ストーカー被害の証拠集めを勧める男性

前述した通り、事件性が無いと警察は捜査ができません。
これは決して警察という組織が悪いわけではなく、どちらか一方に肩入れするような事態を防ぐため(平等性を保つため)の措置です。

そのため「ストーカー被害を受けている」という事実が証明できれば、警察は加害者に対して注意を促す逮捕や勾留といったような措置を講じてくれます。
警察に迅速な対応を求めるのであれば、証拠を集めてから相談に足を運んだ方がスムーズでしょう。(もちろん、緊急性のある場合は証拠の有無に拘わらずすぐに最寄りの警察署にご相談ください。)

なお、警察や探偵事務所に相談していることが分かると、逆上しストーカー行為が過激化する可能性がありますので、慎重に行動するようにしてください。

警察の初動捜査が遅れたことで被害が拡大した事例もありましたが、これらの反省を踏まえ、現在では迅速に対処してくれるケースが多くなっています。
しかし、如何にストーカー行為の証拠が重要だからといっても、相手を下手に刺激するのは危険です。
卑劣なストーカー行為に屈するのは大変悔しいと存じますが、まずは身の回りの安全確保を第一に行動しましょう。