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保有資産の調査

資産調査とは、文字通り対象の個人又は法人がどのような資産を有しているかの調査になります。
どのようなシーンで用いられるのかについて、まずは確認していきましょう。

個人資産を調べるケース

個人の資産イメージ

個人の資産調査で最も多いのは、対象者の死亡に伴い生前保有していた資産を全て知りたいといったような、所謂「財産の調査」です。
相続税の申告には故人が生前有していた財産を全て知る必要がありますので、保有財産の調査は欠かせません。

次いで多いのは「婚約者の資産状況が知りたい」といった類のご依頼ですが、こちらは対象者に内緒で進めるケースが多いので、正直申し上げますと精度は低いです。
なぜならば、どのような財産を保有しているかは実際のところ本人しか分からないためです。

どのような財産が対象か
財産調査について考える男性

主に、不動産有価証券貴金属といった財産が対象となります。

ただし、不動産につきましては所在地等から割り出すことが可能ですが、その他の財産につきましては予め情報(例えば証券会社からの手紙など)が必要です。
そのため、同調査は対象者に隠れて調べるのは非常に難しいと言え、本人やご家族の協力が得られないと調査範囲は大きく狭まってしまいます。

不動産の調査方法
不動産資産のイメージ

不動産でしたら同不動産を管轄する市区町村に「名寄帳(固定資産台帳)」を請求すれば、同市区町村内の不動産を全て一括で確認することが可能です。

ただし、全国の市区町村に請求すると多大な費用と時間が掛かってしまいますので、やはりある程度の情報が無ければなりません。(昔○○市で土地を買った。等)
ある程度の目星がつきましたら直接登記簿謄本を取得し、地目・床面積を確認した上で、近傍宅地から大まかな額を割り出し、依頼者様にお伝えいたします。

なお、興信所や探偵事務所では不動産の評価を行うことはできませんので、あくまで「大体の金額」となります。
また、非常に稀なケースではありますが、固定資産の評価額が1,000円未満の場合は固定資産税が掛からず、名寄帳に記載がなされません。
したがって、あまりにも不動産の価値が低いと調査が出来なくなりますのでご注意ください。

法人の資産調査

法人の資産調査がしやすい理由

客観的資料が乏しい個人に比べ、法人の資産は調査しやすいです。
それは、株式会社は年に一度「決算公告」が義務付けられているためです。

公告とは、政府や地方公共団体が一般公衆に告知することで、具体的には「官報公告」と呼ばれる刊行物に掲載する方法によって行います。
決算公告では、一般的に貸借対照表(資産や負債が記載された書類)や損益計算書(その年の利益や費用が記載された書類)といった計算書類が掲載されますので、対象会社の資産状況を知ることが可能です。

具体的な調査方法

会社法では義務付けられているものの決算公告を怠っている中小企業は非常に多く、実際にはデータが得られないケースも多数存在します。
さらに、貸借対照表を見ても具体的な資産までは書かれておりませんので、対象が中小企業や個人事業主の場合は実地調査が必要です。

なお、対象企業が事業報告を義務付けられている法人である場合、管轄する官公庁がホームページ上で貸借対照表や損益計算書を公開しているケースがあります。
例えば、NPO法人(非営利活動法人)の場合は、各都道府県の管轄庁で資産状況を閲覧することが可能です。※東京都の場合は「東京都生活文化局」が管轄です。

参考東京都生活文化局「法人情報検索」
https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/houjin/npo_houjin/list/

また、建設業や宅建業等の許認可を取得している場合も同様に、年に一度事業報告書の提出が義務付けられておりますので、資産状況を閲覧できる可能性があります。
このように、法人の種別によっては公告とは異なる角度から資産を調査することも可能なのです。

ご覧の通り、資産の調査は個人・法人で方法や目的が大きく異なります。
いずれも対象者本人や関係者の協力が必須であり、具体的な情報が無い限り精度が低くなってしまいます。
対象者にしっかりと説明し、協力を仰ぎましょう。